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【防災士ママブログ】ピオまめ|防災グッズやリュック中身は?災害防災対策等、大切な家族を守るために必要な知識を発信中!

耐震基準から考える家の安全性とは?

突然の大地震。その時、あなたのおうちは安全ですか?家は家族の命を守る大切な財産です。

日本は地震が多い国です。度々の大きな災害で、多くの人が日々不安を抱えていると思います。新しい住まいをお考えの方は、誰もが地震に強い家に暮らしたいと思いますよね?
住宅ローンが完済する前にこだわりのマイホームが倒壊しても悲しいですし、万が一大切な家族が被災してしまったら大変。そこで、本当に地震で強い安全な家について、自分で判断できることが重要です。

では耐震性能について、どれくらいご存知でしょうか?本記事では、地震に対する住まいの安全基準について、分かりやすく解説します。耐震の基準を知り、家選び、リフォームで安心して住み続けられる安全な住まいを手に入れましょう。

地震から家を守れますか?まずは「地震の基準」を知ろう

地震から家を守れますか?まずは「地震の基準」を知ろう

震度、マグニチュード。ニュースや情報番組では、地震に関するさまざまな用語が飛び交います。よく耳にする言葉だからこそ意味を正しく理解することで、状況に応じた適切な判断ができるようになります。ひとつひとつ確認しましょう!

「震度」「マグニチュード」の違いとは?

建物の地震に対する基準を「建築基準法」で定めています。その中で目安となるのは「震度6」という単位。漠然としたイメージがある「震度」ですが、「0」~「7」まで設定されており、数字が大きくなるほど揺れや被害が大きくなります。

「震度0~2」では、揺れを感じない、あるいは静かにしている人が気づく程度ですが、「震度3」以上では屋内にいる人のほとんどが揺れを感じるようになります。さらに「震度4」以上になると、屋内の物が倒れる、家具が動き怪我の危険性が高くなってきます。

では耐震基準の目安のひとつ、震度6以上では何が起きる?

 震度6弱 □立っていることが困難になる。
□ドアが開かなくなることがある。
□壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
 震度6強□はわないと動くことができない。飛ばされることがある。
□固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。
□耐震性の低い木造建物は傾くものや、倒れるものが多くなる。
 震度7□耐震瀬の低い木造建物は、傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。
□耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では、倒れるものが多くなる。
参考:国土交通省 気象庁「気象庁震度階級関連解説表」

揺れが小さくても備えは必要ですが、震度4以上になると命に関わる危険が一気に高まってきます。また建物に損害が発生しやすくなることも分かります。実際に2011年に発生した東日本大震災では、宮城県北部で最大震度7、近隣県でも震度6強の揺れを観測し、全壊、半壊を含み全国で約113万世帯の被害があったとも言われています。

地震から家を守る。耐震基準と等級のちがいは?耐震・制振・免振ってなに?

建物の耐震性能をはかる指針には「耐震基準」「耐震等級」のふたつがあります。聞きなれない言葉ですが、ここでは、住まいの安全を守るための「耐震性能に関わる基準」について解説します。

耐震基準とは?耐震等級とはなにが違うの?

・耐震基準

耐震基準とは、そこで暮らす人の安全を守るために必要とされている基準で、建築基準法で定められています。震度6強~7程度の地震でも倒壊・崩壊が起こらない程度の耐震性が目安となり、建築基準法は、1950年の制定以来、大地震が起こる度に何度も改正され、現在は2000年の改正内容が最新です。
改正後に耐震改修されていない場合、基準を満たしていない可能性もあります。改正以前に建てられた住宅や、耐震改修されていない住宅にお住まいの方は耐震診断を受けることをおすすめします。耐震化に対する国や自治体の補助もあるので、安全な住まいのために是非検討してくださいね。

・耐震等級

耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示す指標のひとつです。建築基準法の基準を耐震等級1として、3段階に分かれていて、数字が大きくなるにつれて耐震性が高くなります。

日本住宅性能表示基準では、の耐震等級1 は、震度6強から7の地震が数百年に1度起きると言う前提にしています。しかし、実際は2011年に起きた東日本大震災から2021年までの10年間で震度6強以上の地震が11回起きており、国内のどこかで数百年ではなく数年に1回以上起きている事実があります。また、2016年に起きた熊本地震では震度7が2日間で2回起きています。

耐震等級1は震度6強の地震に対してあくまで倒れないだけで、家に被害がないわけではないので、そのまま暮らし続けるのは難しくなる可能性もあります。まだ住宅ローンが残っているにもかかわらず、修繕費用が発生すると大変です。安心して住み続けられる家にするには、耐震等級もチェックすることをおすすめします。

ただし、耐震性ばかりを優先しすぎて、わが家が住みにくくなってしまうのはもったいないですよね。
耐震性、機能性、デザイン性などのトータルのバランスを考えつつ、住む土地や予算に応じて家族にとって、最適な家えらびをするのがよいでしょう。

耐震・制振・免振のちがい

実際に家を建てるとき、地震に備える工法はたくさんあります。主な工法は「耐震」「制振」「免振」の3つ。それぞれの違いを簡単にご説明します。

・揺れに耐える「耐震」

建物そのものの強度をあげて、破損・損傷を防ぐもの。建物が倒壊しないように壁を補強するなど。現在の日本の住宅でもっとも多い工法です。

・揺れを吸収する「制振」

建物に組み込んだダンパーと呼ばれる制震装置で地震のエネルギーを吸収し、揺れを抑制すること工法。マンションなどの高層ビルの上階になるほど効果を発揮すると言われています。耐震工法と組み合わせて、より性能を高められます。建物自体を揺れないように制御できる構造であり、設置している家具や家電の転倒を防ぐメリットがあります。

・揺れを伝えない「免振」

建物の基礎部分に架台を組み、ゴムなどを入れて建物と地盤を切り離し、建物に直接揺れを伝えないようにする工法。
安心ですが、特別なシステムを基礎工事の段階から取り入れなければならず、耐震構造や制震構造に比べてコストが高くなります。また、縦方向の地震には強さを発揮できず、台風や津波などの災害に対しては弱くなります。

リフォームで今ある家を地震に強くできる?

地震から暮らしを守るためにできる「耐震対策」。
築年数の古い住宅では安全基準に足りていないこともあり得るため、不安に感じる方もいるでしょう。とはいえ、イチから設計を見直すことは大変ですよね。そこで、今住んでいる家もリフォームで強化することもできます。家を強化してより安心して暮らせる毎住まいを手に入れましょう。

耐震診断と耐震リフォームで安心・安全に近づこう

耐震リフォームをする前に、まずは「耐震診断」を依頼してください。診断には場合によって数か月かかることも。余裕を持って調査をお願いしましょう。
診断では、建築士などの専門家が壁の強さや接合部の状況などを細かく調査して、耐震改修をすべきかどうか判定してくれます。この判定によって、基礎や壁補強など耐震リフォームですべきことが決まります。
お住まいの市町村では、補助金や業者紹介などのサポートをしてくれることもあるので、一度相談してみることをおすすめします。

室内で家具や建具をサポートするプチリフォーム

建物強化だけでなく、室内での地震対策も大切です。
家自体が倒れなかったとしても、食器棚やたんすなど大きな家具の下敷きになったり、割れたガラスでけがをすると言った被害も起こります。震度5弱では大半の人が物につかまらないと歩くのが難しいほどの揺れが発生します。
突然の地震、できるだけ不安要素を減らすために、家具や家電を固定するなど室内のプチリフォームで備えることも大切です。

住宅の耐震構造と室内での対策でより安全な暮らしに。

突然やってくる地震。わたしたちの暮らしを支える住宅も、地震の際に家族を守るものであってほしいですよね。どれだけ準備をしても、十分ということはありません。家は家族の命を守る大切な財産です。耐震基準だからと言って、100%安心だとは思わず、安心・安全な暮らしのために、耐震構造になっているか把握するところからはじめましょう。
そして構造だけでなく重要なのは室内の安全対策。次の記事では、家の中に目を向けた地震対策についてお話していきます。

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