台風発生!家族の安全を守る対策を。いつまでに何をすべき?
台風は命の危険もある自然災害です。日本では毎年7月~9月ごろに、大きな台風がやってきて甚大な被害をもたらします。何度もやってくる恐ろしい自然現象ですが、事前に対策をしっかりすることで被害を減らすことができます。子どもがいるご家庭では、とっさの状況判断ができない子どもを連れての避難など、不安も大きいでしょう。
家族でどんな対策が必要か、逃げるときはどの道でどこに避難すればよいのか、事前にしっかり話し合うことが大切。台風が発生したらできる事前対策、いざという時の対応などを解説します。日ごろから意識を高めて、いざという時に慌てず対応できるように準備しましょう!
台風が来る前にきちんと対策!まずは住環境にあわせたリスクチェックから
台風は事前に一定の情報を得られる災害です。日ごろからの緊急時対策も重要ですが、台風情報が出た時点から前日・直前まで、ひとつひとつの情報を正しくチェックしてください。はやい段階で対策をとり、災害リスクを減らしましょう。
まずは自分の住むエリアの安全な場所、あるいは危険箇所を知ることから。命にかかわる災害から身を守るため、避難所へ逃げることも想定して、しっかりと台風への備えのポイントをしっかり押さえてくださいね。
「ハザードマップ」を手に入れて、エリア情報を確認しよう
「ハザードマップ」とは、自然災害の被害軽減・防災対策のために作られた地図のことです。被災想定区域や避難場所、またそこへの経路などが細かく記載されています。
ハザードマップは市役所など各自治体で入手できるほか、スマホでも気軽に調べることができます。最新のものを手に入れて、事前にしっかりと自分たちの住むエリアの状況を確認しておきましょう。
また国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」では、全国の災害リスク情報などを地図に重ねて表示できるようになっています。各自治体のハザードマップ情報がリンクされているので、より詳細な地域の情報を知りたい方は参照してください。「自治体名+ハザードマップ」で検索して、ダイレクトに自治体のサイトを探してみてもよいでしょう。
台風が近づくと、アクセスが集中してつながらないケースも過去あったようです。また災害時はスマホアプリが使えないこともよくあるため、紙の地図も手元に用意してください。玄関など、すぐに手に取れる場所へ置いておくことをおすすめします。
日ごろから散歩をして道を覚えよう!危険な場所もチェック
ハザードマップを手に入れたら、実際に近隣を歩いて様子を確認してください。子どもと一緒にお散歩をしながら、何度も経路を歩いて分かりやすい目印を教えるのも効果的です。子どもは思っている以上に大人の言葉を覚えています。その時は聞き流しているようでも、日ごろから繰り返し伝えることで、いざというときに気を付けるようになります。
またただでさえ心配の絶えない災害時、いつものお散歩道だと思えば、不安も少しは軽減されるのではないでしょうか。避難経路と言っても、建設現場の看板などが風にあおられて飛んでくるなど、危険箇所はいくつもあります。水量が増え、側溝との境が見えなくなって飲み込まれてしまう事故も耳にします。日ごろから危険かなと思う場所を自分の目で確認しておくことも大切です。
「警戒レベル」は5つ!避難の目安に
内閣府では、住民自らの判断で避難ができるようにガイドラインとして「警戒レベル」を設定しています。自治体から発令されるレベルは以下の5つ。数字が大きくなるほど、危険度が上がります。
- 警戒レベル1:災害への心構えを高める
- 警戒レベル2:自らの避難行動を確認
- 警戒レベル3:危険な場所から高齢者等は避難
- 警戒レベル4:危険な場所から全員避難
- 警戒レベル5:命の危険 直ちに安産確保!
引用
気象庁|防災気象情報と警戒レベルとの対応について (jma.go.jp)
警戒レベル3以上になると「大雨」「洪水」「暴風」などの注意報が警報にかわります。ここで高齢者等への避難は指示されますが、小さな子どもがいる家庭ではこのタイミングで避難したほうがよいでしょう。また「警戒レベル4」になると「避難指示」が出されます。しかし自治体からの警報を待たず、少しでも危険を感じたら早めに避難するようにしてください。
適切な避難を。自宅で待つだけでなく避難所への早めの避難も大切
自宅で台風が通り過ぎるのを待つ方も多いでしょう。しかし、油断は禁物です。台風は浸水や窓ガラスの破損など、在宅避難ができない状況になることもあり得ます。
安心・安全をきちんと確保できるように、あらかじめ避難所へ移動することも検討してください。雨・風が強くなってからの外出はとても危険。子どもを連れて移動するときは、想像以上に時間がかかり、途中で大雨に巻き込まれてしまうことも。避難経路は事前に調べておき、正確な情報を得て、素早く行動することが重要です。
在宅避難を想定。まずは備蓄防災用品をチェックしましょう
台風は「大雨」「洪水」「暴風」などの被害が想定されます。台風だけでなく災害時は、自宅に被害がなくても、お住まいエリアのライフラインが止まってしまうことがあります。大規模災害ともなると、救援物資が行き届くのに時間がかかることが想定されるため、在宅避難ができるよう、最低3日分の食料や水を備えておきましょう。
台風では、停電・断水といった被害が生じます。また停電時は電気だけでなく、100V電源を使用するガス機器も使えなくなります。電気・水道・ガスの代替となるものを用意してください。
在宅避難で気を付けることと事前対策
台風はライフラインだけでなく、暴風で飛ばされたもので窓ガラスが割れると言った被害も起こります。ケガにつながり、生活に支障が出る危険な被害。雨が降り出す前に、しっかりと事前対策を取りましょう。
まずは、雨の対策。排水溝大量の雨が流れ込み、詰まってしまうことも。事前にきちんと掃除をして、水はけよくしておきましょう。窓にはカギをかけ、雨戸やシャッターをおろします。
また風対策として、庭やベランダにある植木鉢、物干し竿など風で飛ばされそうなものは家の中へ片付けたり、ひもでしっかり固定してください。シャッターなどのガードができない窓は、外側から板を打ち付けるなどの補強、あるいは室内から窓に飛散防止フィルムを貼ります。さらに万が一、窓が割れてしまった時に備え、カーテンやブラインドを閉めてガラスが飛び散らないように守ります。
停電時でも正確な情報をキャッチし、落ち着いて行動できるよう、乾電池式のラジオや懐中電灯をすぐに使える場所に準備することもお忘れなく。
屋外避難で気を付けることと事前対策
「避難指示」がでたら、すぐに避難が必要です。雨の中での避難は、荷物の持ち出しも大変な上に足元が悪く危険が高まります。台風は風雨が激しくなる前の避難が重要なカギ。「まだ大丈夫!」とは決して思わずに、早め早めに動くようにしてください。
台風が近づくと、雨が降っていなくても強い風が吹くことがあります。飛来物から身を守るために、ヘルメットも用意。また小さな危険を感じたらすぐに出発できるように、日ごろから持ち出し避難用防災バッグもきちんと準備しましょう。
正確な情報をキャッチ!自分でしっかり判断しよう
災害が発生したときは、できるだけ被害を最小限におさえることが大切。自分自身や家族、まわりの人の安全のためにも、正しい情報を知り、適切に行動しましょう。
主にテレビ、ラジオ、インターネット、自治体の広報放送で最新の情報をチェックします。自治体によっては、防災アプリを提供しているところもあります。お住まいのエリアで対応しているかどうかを調べて、リアルタイムの避難状況など地域に密着した情報をキャッチしましょう。
また停電や通信異常が発生した場合は、テレビやアプリ、インターネットでの情報がストップしてしまいます。そんなときにも活躍するのがラジオです。電池式のラジオ受信器があれば、いち早く災害情報を入手することができます。
台風はあらかじめ情報を知ることができます。しっかりと情報を確認して、自分で状況判断をしましょう。子どもは自ら、避難等の判断ができません。また大人よりも避難に時間がかかります。大人がきちんと判断をして、まわりが避難していないことを理由にせず、早め早めの行動をしてください。
避けられない台風でも、事前準備でリスクを減らして安心安全に
日本では毎年大きな台風による被害が発生します。避難が必要な大型台風だけでなくても、暴風で物が飛ばされて窓ガラスが割れてしまう、電線が切れて停電するなどの被害もたくさん起こっています。「子どもが割れたガラスで怪我をしたら……」「停電でお湯が使えず粉ミルクが作れない……」と思うと心配は尽きませんよね。
でも台風は事前に情報を得ることが出来る自然現象です。きちんと情報を把握して、できるだけ事前に準備し、対策を取ることでリスクを減らすことができます。
次の記事では、台風に備えて、日ごろから用意しておくとよいグッズや対策方法をご紹介します。安心安全のための行動をぜひ今から始めましょう!