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大雨・豪雨による警報や特別警報の違いとは?発表時に取るべき行動を知っておこう

台風や大雨の時には、「注意報」や「警報」が発表されます。また、近年では「特別警報」の発表を聞く機会も増えていますね。しかしそれらの具体的な違いはご存じでしょうか?台風による大雨や集中豪雨による災害は毎年のように発生しています。

特に災害弱者と呼ばれるお年寄り・障がい者・子ども・妊婦などは早めの避難が求められ、判断が遅れると命の危険になる場合もあります。適切な避難判断ができるように、災害時は情報にアンテナを張ることがとても重要です。

そのためには注意報や警報の意味、違いをしっかり知っておき、いざという時に命を守る行動ができるようにしておきましょう。そこで今回は、注意報・警報・特別警報の違いや発表された時に取るべき行動について紹介します。

大雨による災害から身を守るために役立つ【注意報や警報】

近年は地球温暖化の影響もあって、豪雨や猛暑などの異常気象が多く発生しています。大雨による被害も例年発生しており、中には「線状降水帯」による豪雨も聞かれるようになりました。
この線状降水帯とは、激しい雨を降らせる積乱雲が線のように列をなして集まったもので、数時間同じ場所にとどまるのが特徴。事前に発生を予測することは難しいといわれていて、大きな被害を及ぼすこともあります。
昨今では1か月分に相当する量の雨がたった1日で降ったケースもあり、逃げ遅れによる多くの負傷者や死亡者が出たことがありました。
このような大雨によって発生する災害を軽減・防止するために、気象庁が発表しているのが注意報・警報・特別警報などの情報です。これらは「防災気象情報」と呼ばれ、早めの避難など防災行動の判断をするために役立ちます。
大雨や豪雨による災害が起こった場合、命を守るためには自らが行動することが大切です。注意報や警報などの意味をしっかり理解しておいて、いざという時にスムーズに判断・行動できるようにしておきましょう。

【注意報・警報・特別警報】それぞれの意味や違い

気象庁では、大雨や台風といった激しい気象現象が予想される数日前から、注意報や警報に先立って「早期注意情報(警報級の可能性)」や大雨などに関する「気象情報」を発表します。これらの発表によってまずは災害への心構えを高める必要があります。

そして、その後の危険度の高まりにあわせて段階的に発表されるのが注意報や警報です。
注意報→警報→特別警報の順に発表され、段階が引き上げられるにつれて、災害発生や被害規模拡大の恐れが高まります。
しかし、注意報や警報にはどのような違いがあるのかいまいちわからない人も少なくないでしょう。
そこで、注意報・警報・特別警報の違いや意味を解説していきます。

注意を呼び掛ける【大雨注意報】

注意報は災害が発生する恐れがある時、注意を呼び掛けるために発表する予報のこと。全部で16種類に分かれ、大雨や洪水、強風のほか濃霧、乾燥、低温などもあります。

その中でも大雨注意報は、大雨によって浸水害・土砂災害などが発生する可能性があると予想された場合に発表するものです。また、雨が止んだあとも土砂災害などの恐れが残っている場合には、引き続き大雨注意報の発表を継続することがあります。

大雨注意報が発表されたら、避難行動の確認が必要です。普段からハザードマップなどを見て、災害が想定されている区域や避難先、避難経路をチェックしておきましょう。また、今後の気象情報などにも注意しておくことが大切です。

警戒を呼び掛ける【大雨警報】

警報は重大な災害が発生する可能性のある場合に、警戒を呼び掛けるために発表されます。大雨・洪水・暴風・大雪など、全部で7種類の警報があります。
大雨警報は、大雨による重大な浸水害・土砂災害が発生する可能性があると予想した場合に発表されます。その際に、警戒しておきたい事項を明示しているのが注意報とは異なる点。

「大雨警報(土砂災害)」「大雨警報(浸水害)」「大雨警報(土砂災害・浸水害)」のように発表されます。また、雨が止んでも土砂災害などの危険性が残っている場合は、引き続き大雨警報の発表を継続します。

大雨警報は自治体が避難準備や高齢者などの避難開始を発令する目安です。高齢者などの災害弱者は避難に時間がかかるため、大雨警報が出たら自治体からの発表に留意しつつ、危険な場所から避難する判断をしましょう。
また、災害が想定される区域にいる場合は、高齢者以外の人も河川の水位情報などを確認し、避難の準備や自ら避難開始の判断をするといった行動が必要です。

最大級の警戒を呼び掛ける【大雨特別警報】

特別警報には、大雨・暴風・大雪・高潮など全部で6種類あります。警報の発表基準をはるかに超える大雨などが予想され、重大な災害発生の恐れが著しく高まっていて最大級の警戒を呼び掛ける場合に発表される情報です。
特別警報が発表された段階で、すでに災害が発生している可能性も高いです。命を守るための最善の行動を取らなければなりません。

大雨特別警報は、台風や集中豪雨によって数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合に発表します。めったに見られないような異常な降雨量となっているので、大雨警報をはるかに超えるレベルと考えてください。
大雨特別警報が発表された場合、今いる場所から避難所に行くことも危険な場合があります。命の危険が迫っていると認識して、建物の2階へ避難するなど直ちに身を守る行動をすることが大切です。

また、大雨特別警報も大雨警報と同様に警戒すべき事項を明示していて、「大雨特別警報(土砂災害)」「大雨特別警報(浸水害)」「大雨特別警報(土砂災害・浸水害)」に分かれます。

警戒レベルとは?警報との違いや意味

警戒レベルとは?警報との違いや意味

警報とは別に「警戒レベル」というものがあります。警報も警戒レベルも大雨などによって災害が発生する恐れがある場合に発表される防災情報ですが、警報は気象庁が発表する情報であるのに対し、警戒レベルは自分の命を守るための行動をわかりやすくするための指標です。

以下のように5段階のレベルで示されていて、どういった行動を取るべきかの基準になります。そのため、避難するかどうかは警戒レベルによって判断するようにしましょう。

警報レベル別での住民が取るべき行動

  • 警戒レベル1:災害への心構えを高める
  • 警戒レベル2:避難行動の確認をする
  • 警戒レベル3:高齢者は危険な場所から避難する
  • 警戒レベル4:危険な場所にいる全員が避難する
  • 警戒レベル5:命の危険が迫っているため身を守る最善の行動をする
「5段階の警戒レベルと防災気象情報」(気象庁ホームページより)

大雨注意報は警戒レベル2、大雨警報なら警戒レベル3に相当します。大雨や洪水の警報が発表されたのち、土砂災害が発生する恐れが高まった場合は「土砂災害警戒情報」が発表され、これは警戒レベル4相当です。そして大雨特別警報は警戒レベル5に相当します。

警報が出たら警戒レベル3のため、避難に時間がかかる高齢者や乳幼児連れの人は避難を開始、警戒レベル4に達したら全員が避難行動を取るというアンテナを張っておくことが大切です。
また、気象庁では「キキクル(大雨洪水警報)」という情報も提供しています。これは、危険度が高まっている地域を地図上で確認できる情報です。リアルタイムで更新され、PCやスマートフォンで見ることができます。キキクルはスマホ向けのプッシュ型通知サービスもあるので、警戒レベルが高まったことをすぐに知るためにも事前に設定しておくことをおすすめします。

出典:気象庁ホームページ「キキクル」

大雨による災害から命を守る行動が取れるようにしよう

今回は、大雨による注意報・警報・特別警報の意味や違いについて紹介しました。大雨が原因となる災害は毎年のように発生しています。
いつどこで起こるかわからない災害から身を守るためには、気象庁による情報をこまめにチェックし、警戒レベルにあわせた行動を取ることが大切です。

そして、避難行動を取る場合は、住んでいる地域に応じて安全な場所を選ぶ必要があります。近くの避難所に行くことはもちろん、小さな子どもがいる場合などは在宅避難も選択肢の1つです。
そこで次の記事では、在宅避難をする場合の備えや対策について紹介します。大雨などによる災害が発生した時に備えて、ぜひチェックしてくださいね。

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