LOADING

【冬の火災の原因と対策】春になっても引き続き注意が必要!

住宅火災では毎年多くの人が亡くなり、住居や家具家電など大切な財産を奪ってしまいます。そんな火災は冬に多く発生する印象ですが、春も火災には注意が必要です。冬から春にかけては火災が発生しやすい原因が揃っています。そこで今回は、冬から春にかけて注意したい火災の原因と対策について紹介します。

冬だけじゃない!春も火災が発生しやすい季節

一年の中で一番火災が発生しやすい季節といえば冬のように思われるかもしれません。もちろん冬は空気が乾燥するので、建物や家具などに含まれる水分が少なくなって燃えやすくなり、火災につながりやすいです。また、ストーブなどの暖房機器を使うので、消し忘れなどによる出火もあります。

しかし、3~4月はまだまだ寒い時期であり、暖房器具を使うこともあるでしょう。そのため、春先にも冬同様の原因での火災が発生するリスクがあります。
春は冬に引き続き空気が乾燥している上に、一年の中でも風が強い季節です。乾いた空気が強い風となって吹くことで、着火しやすく燃え広がりやすいため、寒い時期は引継ぎ注意が必要です。

消防庁が発表した令和3年版消防白書によると、令和2年の四季別出火状況は、春季(3~5月)が10472件、冬季(12~2月)が9509件の出火件数となっており、春の方が火災が多いことがわかります。

冬から春の住宅で起こりやすい主な火災の原因

火災の発生原因はさまざまですが、その多くが火気を取り扱う時の注意不足や不始末によるものです
中でも建物火災において、消防庁が発表した令和2年中の主な出火原因別の出火件数によると、コンロが2735件と最も多く、続いてたばこが1858件、電気機器が1228件です。

そのほか、冬やまだ肌寒い春先はストーブによる出火も増えます。たばこ・コンロ・ストーブは特に寒い時期に住宅内で気をつけたい出火原因です。それぞれがなぜ出火につながるのか解説します。

【火災原因1】布団の中での寝たばこ

たばこが原因となる建物火災は、出火件数全体の8.9%を占めています。そのうちの5割弱である855件はたばこを不適当な場所へ放置したことによるものです。たばこには炎を上げず、長時間ゆるやかに燃え広がる無炎燃焼という状態があり、燃えているのに気づきにくい特徴があります

特に寝たばこは火災につながりやすく、冬だと布団の中で暖まりながらたばこを吸ってしまう人も増えがち。飲酒したあと布団に入って寝たばこをし、たばこの火が落ちても気づかないまま火災につながるケースもあります。ご家族などまわりに喫煙者がいる場合、寝たばこは絶対にしないように注意喚起するといいでしょう。

【火災原因2】衣服の袖口にコンロの火が移る

コンロが原因となる火災は、令和2年では2735件発生しており、全体の14%を占めています。コンロは、火をつけたまま放置したり消し忘れたりすることによって出火につながります。

天ぷら油を熱している最中にその場を離れて発火してしまうケースや、コンロ近くに置いていた布巾などが燃えてしまい出火原因になるケースも考えられます。特に寒い日は袖の長い服を着ているので、コンロの奥に置いている調味料などを取ろうとして袖に火が移ってしまう恐れもあり、注意が必要です。特に冬のパジャマなどに多いフリースや毛羽立ちの多い衣服は、一瞬で火が燃え広がる「表面フラッシュ現象」に気を付けましょう。

【火災原因3】電気ストーブに布団や洗濯物が触れる

暖房器具の中でもストーブは冬の火災発生原因になりやすいです。石油やガスストーブの方が火災を起こしやすいと思われがちですが、意外と電気ストーブも出火原因になっています。
電気ストーブの近くに干していた洗濯物が当たったり、就寝時につけていた電気ストーブに布団が触れたりして出火することもあるので注意しましょう。

火災を起こさないための習慣と対策

火災を起こさないための習慣と対策

火の取り扱いの不注意などによって起こる火災は、日ごろから気を付けることで防止できます。そのためには火災の原因を知り、普段からの習慣づけや対策を行うことが大切です。気をつけたいポイントをまとめました。

たばこはしっかり消火を確認し、寝たばこを絶対にしない

まずは出火原因に多いたばこの取り扱いに気をつけましょう。吸ったあとは必ず水に濡らして消火を確認し、ベランダなどにも吸い殻を放置しないようにします。また、最近ではよく見かける電子たばこ(加熱式たばこ)であれば、直接火を使わないためより安全でしょう。


コンロの使用時は絶対離れない

コンロによる火災を防ぐためには、その場を絶対に離れないことが大切。他の家事をしたり、来客の対応や電話に出たりするのであれば、まずはコンロを切ってから離れるようにしましょう。また、調理時は防炎のアームカバーやエプロンを着用し、近くにカーテンがあるのであれば防炎製品にするのがおすすめです。そのほか、コンロは安全装置のついたものを選ぶようにしましょう。

ストーブの周囲には燃えやすいものを置かない

ストーブを使用する時は近くに燃えやすいものを置かないように気をつけましょう。ストーブの上に洗濯物を干したり、布団の近くにストーブを置いたりするのも避けてください。また、外出や就寝の際には必ず電源を落としておくことも大切です。

消火器を用意しすぐに火を消せるようにしておく

万が一火災が発生しても、火が小さいうちに消火できるように消火器を用意しておきましょう。家庭用の消火器もさまざまな種類が売られているので、使いやすいものを見つけて準備しておくと安心です。また、消火器はいざという時にすぐ使えるように、使い方を事前に確認しておいてください。

火災の原因と対策を知って乾燥した冬~春の出火を防ごう

今回は、冬から春にかけての住宅火災の発生原因や対策について紹介しました。空気が乾燥し、ストーブなどの暖房器具を使用する冬は火災が起こりやすいです。
また、春も冬に引き続き空気が乾燥している上に強い風が吹くので、火災に注意が必要です。冬から春にかけての火災の原因にはたばこやコンロ、ストーブなどがあげられます。不注意によって出火につながらないように、家族みんなでしっかり話し合い、火災を防ぐ対策をしていきましょう。

しかし、万が一火災が起こってしまった時は、どのような行動を取ればいいのでしょうか?事前にシミュレーションしておくことは、いざという時に命を守ることにもつながります。そこで次の記事では、火災時の対処法について紹介しますので、ぜひチェックしてください。

関連記事