普段から持ち歩ける防災【防災ポーチ・防災ボトル】
外出先で突然の被災。まさかこんなことになるなんて! そんな時にこそわずかでも備えがあると安心感が違います。そこで以前も紹介しましたが、お出かけのときに持ち運べる備え、防災ポーチ・防災ボトルをあらためてご紹介します。
防災ポーチ・防災ボトルってどんなもの?
災害時には、急な避難や長時間の待機が必要となる場合がありますが、普段から避難時のようにグッズを詰め込んだ防災袋を持ち歩くことは現実的ではないですよね。また、せっかくの防災グッズも、バラバラになっていてはいざという時に探すのに手間取ったり、バッグを変える時の移し替えが面倒だったりします。
必要な防災グッズはあらかじめポーチなどにまとめておけば、お出かけ時の防災グッズの移し替えが簡単です。また万が一の時に必要になる最小限のもので揃えておくことで、バッグの中で邪魔にならないようコンパクトなサイズにできます。このように防災ポーチ・防災ボトルとは、災害時に必要な物をまとめて普段のバッグなどに忍ばせておくためのものです。
防災ポーチ・防災ボトル
入れ物としては普段使うバッグに入れられる化粧ポーチサイズのポーチを使うことが多いですが、最近は百円ショップなどで置かれている広口のプラスチックボトルに厳選したグッズを入れた防災ボトルの作り方も警視庁災害対策課などから紹介されています。ボトルを使うメリットは、容器の丈夫さと防水性にあります。一方でポーチの場合は平たくて開口部も大きく取れるので中身の出し入れが比較的楽という利点があります。どちらがいいかは自分の選ぶグッズや、持ち運び方・使い方なども併せて選ぶといいでしょう。
普段から持っておきたい防災グッズ
防災ポーチなどは普段のバッグに入れて常に持ち歩くのですから、あまり多くのものは入れられません。中身はそれぞれのライフスタイルなどに合わせて、いざという時に最低限必要なものに絞り込んでみましょう。
すぐに使えるようにしたいもの
「マスク」「ウェットティッシュ」
被災時には安全な避難先に人が集まることになります。そのため感染症などの予防のためにもマスクやティッシュペーパー、ウェットティッシュなどがあると安心です。
「手ぬぐい」「ハンカチ」「ばんそうこう」
手ぬぐいは畳めばかさばらずハンカチやタオルのように使えるのはもちろん、広げて小物を包んでまとめたり結んだりして運ぶのにも使えます。また、ケガをした時には応急で包帯の代わりにもなるなど広く使えます。手ぬぐいが無くても大きめのハンカチなども同じように使えます。また、念のため救急用のばんそうこうなどもあると安心ですね。
「ビニール袋」
ビニール袋は物を運んだり、手持ちの品を水濡れから守ったりする時に役立ちます。特にものを運ぶには持ち手のあるレジ袋などが使いやすいですね。
「エマージェンシーシート」
突然の雨や風、避難時の寒さをしのげるエマージェンシーシートも用意しておきたいですね。レインコートほどの丈夫さはありませんが、軽くコンパクトなので普段持ち歩くのにも邪魔になりません。
「LEDライト」
夜間に災害にあった時など、小型で長時間使えるLEDライトを持っておきたいですね。たいていのスマホにも懐中電灯機能はありますが、長く使う場合はバッテリーの心配もあるのでライトは別に持っている方が安心です。できれば金属ケースで防水仕様のものが丈夫でお薦めです。
避難先などで使えるようにしたいもの
「モバイルバッテリーと充電用ケーブル」
他よりもちょっと重めになってしまいますが、スマホのバッテリー切れ対策として人によっては優先度が高い備えになりそうです。連絡手段や情報収集源としてだけでなく、キャッシュレス決済などにも使えるスマホですが、バッテリーが切れては何もできなくなってしまいますよね。予備の電源があるというだけで、気持ちにも余裕が生まれます。容量を欲張らなければ比較的小型で軽量のものもありますので、自分の使い方から選んでみましょう。
「小銭(現金)」
バッテリー切れも含めて、万が一スマホなどが使えなくなった場合に味方になるのが公衆電話です。災害時に携帯の基地局などが被災して使えなくなる場合でも、公衆電話であれば使えた例もあります。その時のために10円玉などの小銭を用意しておくといいでしょう。停電などでキャッシュレス決済が使えなくなった時のためにも若干の現金も持っておくと安心です。
「非常時の連絡先リスト」「筆記用具」「メガネ」
スマホがバッテリー切れを起こした時に公衆電話に向かおうとして気づくのが「・・・電話番号、何番だったっけ?」
スマホが身近になって連絡先は全部スマホが覚えているので一つも頭に入っていません!なんて人も多いのでは?そんな時のためにも防災ポーチには緊急時の連絡先をメモにして入れておくのがいいのではないでしょうか。さらに自分用としても、誰かへの連絡用メモとしても使えるように筆記用具も揃えておくといいですね。
普段からコンタクトレンズを使っている人は避難が長引く場合などに備えて予備のメガネも入れておくと安心です。
「携帯トイレ」
災害時には利用できるトイレが限られることもしばしばあります。特にお子さんと一緒に被災した時には携帯トイレの存在が助けになる場合があります。前に上げたエマージェンシーシートなどを目隠しとして組み合わせるなど、いざという時の使い方を想定して、持ち歩くグッズを選んでおきましょう。
「携帯用食料」
防災用の食事だからと言って何食分も持たなくてもいいんです。被災時/避難時の空腹を一時的に抑えることができれば十分なので、すぐに食べられるバータイプの栄養補助食品やゼリー飲料がお薦めです。防災用に適した長期保存のきくものもありますが、普段から小腹が空いた時に食べては別の品を買い直すローリングストック状態にしてもいいですね。
「ハサミ」
ちょっとした袋を開けたりする時にハサミがあると何かと重宝します。持ち歩くなら100円ショップなどにあるポケットサイズのものが場所も取らないためおすすめですよ。
「身分証明書」
災害が発生した場合、帰宅困難になったり、避難所を利用したりする場合も考えられます。場合によっては、身分証明書となるものが必要になることがあります。普段は運転免許証などの身分証明書を持ち歩かない人は、パスポートや運転免許証、保険証などのコピーを防水袋に入れて防災ポーチなどに入れておきましょう。
心を落ち着かせるもの
「衛生用品・基礎化粧品」
突然、避難所でしばらく過ごすことになった時、まずは安全確保が大事ですが、気持ちが少し落ち着いてくると衛生面などで気になることも出てきます。そんな時にストレスを減らせるものが欲しくなりますよね。汗ふきシートや歯みがきシート、ハンドジェルなどがあるといいかもしれません。また肌を健康的に保つように、化粧水や保湿クリームなどの基礎化粧品があるといいでしょう。
「甘いもの/嗜好品」
避難所では非常食が中心になり、甘いものはなかなか手に入りません。そんな中で飴やチョコレート、クッキーなどの甘いものは、エネルギー源となって気持ちを前向きにしてくれるのではないでしょうか。他にも自分にとって少しリラックスできるようなものを持っておくのもいいですね。
携帯する防災グッズでPiece of Mindを!
ここまで外出時に携帯したい物を上げてきましたが、持ち運ぶポーチやボトルに入る量を目安にしながら、自分に必要なものをピックアップしてみましょう。あれもこれもとついつい品数が多くなるとかさばるうえに重さも増えて、普段から持ち歩くには重く邪魔になってしまいます。自分のライフスタイルやいざという時に何をしたいかなどを考えてまずミニマムなセットを作ってみてください。
また、出かける時のシチュエーションによっては追加したいものもあると思います。以前紹介した時にも追加したいアイテムのヒントなどを紹介していますので、足りないものや欲しいものを加えたり整理するなどして自分オリジナルの防災セットにしてみましょう。
ぜひ自分にあった組み合わせを見つけてくださいね。