【東日本大震災から学ぶこと1】東北地方と首都圏それぞれで起こった被害を知ろう
2011年に起こった東日本大震災ではさまざまな被害が発生しました。津波によって多くの尊い命や住宅が奪われだけでなく、原発事故が発生して避難指示を受けた地域もありました。また、首都圏では液状化現象や公共交通機関の停止で帰宅困難になるなど、東日本大震災では各地で多様な被害が発生しています。
近年でも毎年多くの自然災害が発生しているため防災意識が高まっていますが、東日本大震災を知り、その教訓を活かすことでよりこれからの防災対策に役立てられます。そこで今回は、東日本大震災で起こった被害について紹介します。東日本大震災を知らない子どもともぜひ一緒に振り返ってみましょう。
東日本大震災とはどんな災害だった?
東日本大震災は2011年3月11日14時46分に発生しました。正式名称は平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で、この地震による災害やこれに伴う原子力発電所事故による災害のことをまとめて東日本大震災と呼んでいます。
震源は三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130㎞付近、深さ約24㎞で、マグニチュードは9.0を記録しました。この規模の地震は日本国内での観測史上最大規模で、世界でも4番目の規模といわれています。
東日本大震災では、地震後に発生した大津波によってとても大きな被害が起こりました。津波の高さが非常に高く、青森県から茨城県にかけて約4m~16mの高さに達し、内陸奥深くまで津波が到達して被害を大きくしました。
この津波による浸水範囲の面積は合計で約561k㎡となり、これは山手線内側の面積の約9倍にもなる広さです。死者は19000人以上(震災関連死を含む)、行方不明者は2500人以上、避難した人は最大47万人となったとても大きな災害です。(2023/3現在:緊急災害対策本部資料)
【東北地方と首都圏】東日本大震災で起こった各地域での被害
東日本大震災では、震源地に近い宮城県・岩手県・福島県などの東北地方だけでなく、首都圏にまで被害が及びました。それぞれの地域で受けた被害が異なるので、紹介していきましょう。
東北地方で起きた被害とは
東日本大震災発生後、震源地に近い違い東北地方では電気・ガス・水道・通信といったライフラインが停止し、被災者は不自由な生活が続きました。製油所も被災したことで石油燃料が不足し、自家用車のガソリンや暖房機器の燃料だけでなく、消防車や救急車といった緊急車両、支援物資運搬車両のガソリンも不足して運行に支障が出た例被害もあります。
また、多くの人が倒壊や津波によって自宅での生活ができなくなり、避難所生活を余儀なくされました。津波で道路や港、空港が使用できなくなったため、食料や飲料、生活用品などあらゆる物資が届かなくなって不足する事態にも陥りました。
そして、福島第一原子力発電所の事故も大きな被害の1つです。津波によって原発の電源が失われ、水素爆発が起こる事故が発生しました。この爆発によって建物が大破したため大量の放射性物質が大気中に放出され、原発付近は避難区域に指定されました。
これによって該当地域の住民は他の市町村や都道府県に避難しなければならなくなり、現在でも原発に近い地域ではいまだ避難指示が解除されていません。
首都圏で起きた被害とは
首都圏でも東日本大震災の被害は大きく、栃木県や茨城県では震度6強を観測しています。また、東京23区内においても、ほぼすべての区で震度5弱以上の強い揺れを観測しました。そのため、建物などの被害も多く、家屋の倒壊や火災が発生。そのほか、ブロック塀の倒壊、がけ崩れ、液状化現象の被害もありました。
特に液状化現象は広い範囲に渡って発生し、首都圏でも顕著な被害の1つといえます。東京の臨海部で液状化が発生した面積は約42k㎡で、これは世界最大の広さといわれています。千葉県浦安市~千葉市の埋め立て地の被害が特に大きく、地表付近に作られていた上下水道、ガス、電気などのライフライン施設にも影響が及びました。
そして首都圏では、安全確認のため地震発生直後に鉄道の運行を全面的に停止。また、都内の高速道路は地震による緊急パトロールや点検をするため全面に渡って通行止めとなり、これによって都内の道路は大渋滞となりました。
タクシーやバスも渋滞に巻き込まれたため帰宅困難者が多数発生し、その数は500万人以上だったそうです。駅や道路は人であふれ、何時間もかけて徒歩で帰宅した人も多くいました。地震発生後は、通信事業者が大規模な通信規制を実施したため電話やメールが繋がりにくくなり、公衆電話が長蛇の列となりました。
東日本大震災の多くの被害を教訓に
東日本大震災で起こったさまざまな被害を知ることは、これからの防災対策に大いに役立ちます。東日本大震災ではライフラインが停止し物資の運搬も困難になり、多くの人が避難生活を余儀なくされました。
このことから、日ごろの備えがいかに大切かが分かります。食料や水、日用品などの備蓄は家庭でもできる防災対策の1つです。東日本大震災での教訓を活かして、家族の分の備えを見直してみましょう。
また、首都圏で帰宅困難者が多数発生したことも大きな被害といえます。もし、災害が起こって職場や学校から帰宅できない場合はどうしたらいいのかも考えておきましょう。
通信規制が発生して電話が繋がりにくくなった場合の家族との連絡手段を決めておくことも大切です。ぜひ家族みんなで東日本大震災を振り返りながら、これからの防災対策について考えてみてはいかがでしょうか?
大地震の被害を知ってこれからの防災対策に活かそう
今回は、東日本大震災で起こった被害について紹介しました。実際に起きた災害について知ると、その教訓をこれからの防災対策に活かすことができます。地震が発生した場合にどのような被害が想定されるのか、家族でしっかり話し合ってみましょう。
災害が発生しても、日ごろから対策をしておけば、被害を小さくすることができます。そこで次の記事では、大規模な地震が起こった時の被害を軽減するために家庭でできる対策について紹介します。