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冬に発生する暴風雪とは?警報が出ても慌てないために被害リスクや発生しやすい地域を知ろう

冬に注意すべき災害の1つに「暴風雪」があります。天気予報などで「暴風雪警報」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。そんな暴風雪とはどのようなものなのでしょうか?また、自分の住んでいる地域は注意すべきなのかも気になりますよね。そこで今回は、冬に発生する暴風雪について紹介します。

暴風雪とはどんな現象?

「暴風雪」とは、台風並みの暴風に雪が伴った現象です。強い風が吹き荒れている中で雪が降っている場合もあれば、積もった雪が強い風によって舞い上がり、目で見ることの範囲が狭くなったり、見え方が不明瞭になったりと視界が不良 になるような状態も暴風雪といわれています。
この暴風雪が発生しやすくなる条件は、強い冬型の気圧配置になった時や爆弾低気圧といわれることもあるほどの台風並みに発達した低気圧が通過する時で、台風による風の危険性と同様の状態になった場合です。特に冬型の気圧配置については 冬の天気予報でもたびたび聞かれる言葉ですが、これは日本列島の西側に高気圧、東側に低気圧が位置する気圧配置のことで、西高東低の気圧配置ともいいます。

天気図では等圧線が縦じま模様になっている状態が西高東低の気圧配置です。風は高気圧から低気圧に向かって吹くのですが、高気圧と低気圧の差が大きいほど風は強くなる傾向があります。西の高気圧の勢力が大きく、東に低気圧が発達すると気圧差が大きくなるので、強い風が吹きやすくなります。

また、気圧差が大きいと等圧線の間隔が狭くなり、狭ければ狭いほど風が強く吹くため、西高東低の気圧配置となっている天気図で、等圧線が混みあっている状態だと強い冬型の気圧配置となるのです。
このようにして強い冬型の気圧配置となると、暴風雪が発生する恐れがあります。さまざまな被害が起こる可能性があるため注意報や警報が出され、警戒しなければなりません。

暴風雪でどんな被害が起こりやすいのか知っておこう

暴風雪が発生した際には注意報や警報が発表され、警戒するよう呼びかけられることも少なくありません。警報が発表されるのは、暴風雪によるさまざまな被害を少なくするためです。では、どのような被害が考えられるのでしょうか。
実際に起こりうる被害を知っておき、暴風雪が発生した場合にも身を守れるようにしておくことが大切です。主に考えられる被害リスクを紹介していきます。

【1】雪が強風で巻き上げられて視界不良になる

暴風雪が起こると強風で雪が巻き上げられ 、視界がとても悪くなってしまいます。また、雪国では雪が降っていなくても強風によって積もった雪が巻き上げられる「地吹雪」が発生して、視界不良になることもあります。これは「ホワイトアウト」とも呼ばれ、雪によって視界が真っ白になり、地面も空も周囲のものも見えなくなってしまう現象です。方向感覚がなくなるため、雪山にいる場合は遭難の原因の1つにもなります。

また、車の走行中に暴風雪で視界不良になると、車線や障害物、歩行者、前の車両が見えなくなり、事故が発生してしまう恐れがあります。ホワイトアウトの影響によって多重事故が発生し、長時間の立ち往生に見舞われることも考えられます。

【2】雪の吹きだまりができる

強い風が吹いて雪が巻き上げられ、建物の外壁沿いなどに雪が積もってしまうことを吹きだまりといいます。暴風雪が発生するとこの吹きだまりができやすく、例えば自宅の周囲で高く積もってしまうと玄関ドアが開かなくなって、外に出られなくなる場合があります。
また、道路沿いに吹きだまりができると道幅が狭くなって、車が通行しにくくなることも考えられます。さらに、吹きだまりに車がつっこんでしまって、走行不能になってしまう恐れもあり危険です。

【3】飛散物によってケガや家屋被害の恐れがある

強い風が吹くと看板や屋根の一部などが飛散する恐れもあります。特に暴風雪の場合は視界が悪いため、飛散物にも気づきにくいです。歩行中や車の走行中に飛散物がぶつかってしまう恐れもあります。
また、飛散物によって窓ガラスが割れることも考えられます。看板などの大きな物だけでなく、つららのような小さい物が飛散してもケガに繋がる場合があるので、暴風雪の際の外出はとても危険であることを覚えておきましょう。

【4】電線に雪が付着して停電する

暴風雪によって電線に重たい雪が付着すると、電線が縦に大きく揺れることがあります。この揺れによって複数の電線が接触するとショートし、停電になってしまう恐れがあります。また、海に近い地域では強風によって巻き上げられた雪や海水が電線に付着し、漏電して停電になる場合もあるといわれています。

【5】凍傷や低体温症になる恐れがある

降雪と強風が組み合わされるととても厳しい寒さになり、凍傷や低体温症のリスクが高まります。例えば、ホワイトアウトが発生して車が立ち往生した場合、車から降りて徒歩で移動しようとして低体温症や凍傷になってしまい、命の危険にさらされる恐れもあります。

北海道や東北地方は特に暴風雪に注意しよう

さまざまな被害の恐れがある暴風雪ですが、特に注意すべき地域は北海道と東北地方です。北海道は山岳が多く、そこに吹き付ける風が影響して低気圧が発達することが少なくありません。この低気圧が発達しながら通過する際に、広い範囲で暴風雪や大雪となる恐れがあります。また、冬型の気圧配置が緩み始めた時にも、日本海側で小さな低気圧が発達して、暴風雪になる場合があります。

そして東北地方では冬型の気圧配置が強まった際に、北西の季節風が強く吹き、この時に暴風雪となることがあります。中国大陸から日本列島に向かって吹く季節風は、あたたかい海面の水蒸気を取りこむことで雪雲が発生させやすい特徴があります。この雪雲は日本海側の陸地で雪を降らせ、季節風が強く吹く場合には暴風雪になりやすいです。また、宮城県など一部の地域では冬に西風の影響を受けやすい地形になっているため、日本海側でなくても暴風雪が発生することがあります。

また、東シナ海で発生した雪雲が流れ込むことによって九州の西側にも暴風雪が起こる可能性があります。そして、日本海で発生した雪雲が関門海峡を越えて瀬戸内海側に流れ込み、こちらの地域でも暴風雪が発生することがあります。季節風の方向である西~北に海がある地域は風も強く吹きやすく、暴風雪の発生リスクが高いので注意しておきましょう。

暴風雪の被害リスクを知ってもしもの時も対処できるようにしよう

今回は、冬に発生する暴風雪について紹介しました。北海道や東北地方で起こりやすい暴風雪は 、ホワイトアウトや吹きだまり、飛来物、停電などさまざまな被害が発生する恐れがあります。そのため、暴風雪が起こったら基本的に外出しないようにすることが大切。また、旅行など慣れない地域で暴風雪に見舞われることも考え、知識をつけておくようにしましょう。

暴風雪が起こる際には注意報や警報が発表されることも多く、警報の種類やどのような意味があるのか把握しておくことも重要です。そこで次の記事では、暴風雪警報について紹介していきます。冬の災害リスクを知っておくためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。

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