暴風雪警報とは?意味を知って被害を抑える対策ができるようにしよう

冬に起こる災害として警戒しておきたいのが「暴風雪」です。特に日本海側などの雪が降りやすい地域では注意が必要で、警報が発表されることも少なくありません。では「暴風雪警報」とはどのようなものなのでしょうか。また、暴風雪警報が発表されたら取るべき行動もしっかり理解しておきたいですね。そこで今回は、暴風雪警報や注意報の違いや被害を抑えるための対策について紹介していきます。
【暴風雪による注意報・警報・特別警報】それぞれの違いを知っておこう
暴風雪による危険度の高まりにあわせて注意報や警報が発令される
強い冬型の気圧配置によって、雪を伴った台風並みの強風が吹く現象のことを暴風雪と呼びます。暴風雪が発生すると視界不良になり、交通事故のリスクが高まります。また、自宅の玄関前に吹きだまりができてドアが開かなくなったり、飛散物によってケガや家屋損傷が起こったりと、さまざまな被害が発生する可能性があります。
そんな暴風雪による危険度の高まりにあわせて、気象庁から段階的に発表されるのが注意報や警報です。注意報→警報→特別警報の順番で発表されますが、災害発生リスクや被害規模拡大の恐れが高まることによってこれらの段階が引き上げられていきます。それぞれの意味や違いを理解しておくことで、もしもの時に取るべき行動がわかります。
風雪注意報
「注意報」とは災害が発生する恐れがある際に、注意を呼び掛けるために発表される予報のことです。全部で16種類あり、風雪のほかに大雨や強風、大雪、なだれや低温などがあります。その中で「風雪注意報」は、雪を伴った強風によって災害が起こる可能性があると予想された時に発表するものです。
なお、注意報には以下のものがあります。
- 雨によるもの
- 大雨注意報
- 洪水注意報
- 強風注意報
- 雪によるもの
- 大雪注意報
- 風雪注意報
- 着雪注意報
- なだれ注意報
- 融雪注意報
- 寒さによるもの
- 着氷注意報
- 霜注意報
- 低温注意報
- 海上の波・潮位によるもの
- 波浪注意報
- 高潮注意報
- その他
- 雷注意報
- 濃霧注意報
- 乾燥注意報
参考:気象警報・注意報の種類(気象庁HP)
平均風速がおおむね10m/sを超え、なおかつ雪を伴った場合が目安となりますが、この風速の基準値は地域によって異なります。強風による災害に加えて、風で舞い散った雪によって視界不良になり、それによって災害が起こる恐れについても注意を呼び掛けます。
暴風雪警報
「警報」とは、重大な災害が起こる可能性がある場合に警戒を呼び掛けるために発表されます。全部で7種類の警報があり、暴風雪のほかには大雨、洪水、暴風、大雪などがあります。その中で、「暴風雪警報」は雪を伴った暴風によって、重大な災害が起こる可能性があると予想された時に発表します。
平均風速がおおむね20m/sを超え、なおかつ雪を伴った場合が目安となりますが、この風速の基準値は地域によって異なります。暴風による重大な災害リスクに加え、暴風によって雪が舞い、視界不良となることで重大な災害のつながる恐れについても警戒を呼び掛けます。
暴風雪特別警報
「特別警報」とは、警報の発表基準をはるかに超える暴風雪などが予想され、重大な災害が起こる可能性が著しく高まっている場合に、最大級の警戒を呼び掛けるために発表されます。全部で6種類あり、暴風雪のほかに大雨や暴風、大雪などがあります。
その中で「暴風雪特別警報」は、数十年に1度の頻度で発生するような強い台風と同程度の温帯低気圧によって、雪を伴う暴風が吹き荒れると予想された場合に発表します。暴風による重大な被害だけでなく、雪のせいで視界不良になり甚大な災害につながる恐れが著しく高まったことについても警戒を呼び掛けます。
暴風雪警報には暴風警報の内容が含まれる
注意報・警報・特別警報には、暴風雪と似たものとして暴風(強風)と大雪があります。「風雪注意報」「暴風雪警報」「暴風雪特別警報」は、雪を伴った暴風が起こる場合に発表されるので、特に雪による視界不良で災害が起こることへの警戒を呼び掛けています。
そしてその警戒内容には、「強風注意報」「暴風警報」「暴風特別警報」の事項も含まれているのが特徴です。雪だけでなく、強風・暴風による被害にも注意・警戒が必要としています。そのため、風雪注意報や暴風雪警報が発表されている時は、強風注意報や暴風警報が発表されません。
暴風雪警報が出ていて大雪が予想される場合は、別途で「大雪注意報」や「大雪警報」が発表されることもあるので覚えておきましょう。
暴風雪警報が出ている時の対処方法

自宅や職場にいる時に暴風雪警報が出た場合
暴風雪警報・暴風雪特別警報が発表されている時や予想されている時は、外に出ることは危険です。視界不良になるだけでなく、暴風による飛来物でケガをする可能性も考えられます。また、外にいる時間が長引くことで体温が奪われ、低体温症など危険な状態になる恐れもあります。そのため、建物内で待機することが大切です。自宅や職場にいる際に暴風雪となった場合は、外出を控えてその場に留まるようにしましょう。
車で外出中に暴風雪警報が出た場合
暴風雪警報が出ている時に、車を運転することもとても危険です。視界が悪くなるため事故につながったり、吹きだまりの雪が車に入り込んで走行不能になったりする恐れがあるためです。積雪によって身動きが取れなくなり、長時間立ち往生する可能性もあります。そのため、暴風雪警報が発表されている時は車の運転をしないようにし、暴風雪が落ち着くまで建物内で待機するようにしましょう。
車が立ち往生し、暖房を使用するためにエンジンをかける場合、排気口(マフラー)が雪で埋もれてしまうと排気ガスが車体の下などに溜まり、ボディの隙間や外気導入口などから車内に入り込んで一酸化炭素中毒になる危険があります。エンジンをかけざるを得ない場合は、頻繁に排気口周辺を除雪することが大切です。
万が一、走行中に暴風雪となってしまい、視界が悪くなってしまったらコンビニや道の駅などに停車し、気象情報や道路情報を確認しながら天気回復まで待つようにしてください。
暴風雪警報が出た時のために準備しておくと便利なもの
暴風雪警報が発表されている時の外出はとても危険なため、建物内で待機する必要があります。ただし、暴風雪が長引く場合もあるので、防災グッズを日ごろから備えておくことが大切です。そんな時に準備しておきたいものを紹介します。自宅に備えるほか、万が一運転中に暴風雪で立ち往生してしまった時のために、車にも備えをしておきましょう。
自宅に準備しておきたいもの
暴風雪が発生した際には、停電になる恐れがあります。そのため、懐中電灯や携帯ラジオを手元に用意しておくことが大切です。ポータブル電源や発電機の準備もしておくとより安心できます。
また、暴風雪が長引いた場合は長時間外出できない可能性があるため、常温保存できる水や食料品の備蓄もしておきましょう。カイロや湯たんぽ、石油ストーブなど停電時の防寒対策になるものも準備しておくことが大切です。
車に準備しておきたいもの
車を運転している時に暴風雪となり、立ち往生してしまう可能性も考えられます。特に積雪の多いエリアへ出かける時は注意が必要です。そんな時のために車にも備えを積んでおきましょう。まず、車での外出時には十分にガソリンが入っているか確かめておくことが大切です。そして、立ち往生による長時間の車内閉じ込めを想定し、毛布や防寒着のほか水や簡易食料、携帯トイレを積んでおくと安心です。
また、雪によって車が埋もれてしまう場合も考え、牽引ロープ・スコップ・長靴・手袋などを備えておくといいでしょう。暖房をつけるためにエンジンをかけたままにしている状態で、車の排気口が雪に埋もれると一酸化炭素中毒になる恐れがあり、大変危険です。除雪用のスコップや手袋があれば、排気口を塞がないように雪かきする時に役立ちます。また、車内に留まる際は、できるだけエンジンを切るようにしましょう。
暴風雪警報が発表されたら外出を控えて待機することが大切!

今回は、暴風雪警報について紹介しました。注意報・警報・特別警報とそれぞれの警戒レベルが異なるため、暴風雪が発生した際はしっかり気象情報を確認しましょう。また、暴風雪警報が発表された時は外出を控え、建物内に留まることが大切です。
暴風雪が長引いた際に備えて、日ごろから備えてをしておくと安心ですね。そこで次の記事では、暴風雪が起こった時のために備えておきたい防災グッズを紹介します。冬の防災対策として、ぜひチェックしておいてくださいね。