冬は大地震が多いって本当?データで見る冬の地震と防災対策
「冬は大地震が多いのでは?」という不安の声をよく耳にします。地震は季節を問わず発生する自然災害ですが、とくに冬は、寒さや雪の影響により、普段とは異なる危険が増えます。本記事では、冬の地震発生傾向や、冬特有の防災対策、注意すべきポイントをご紹介します。寒い季節を安心して過ごすため、必要な対策を一緒に考えていきましょう!
地震が起きやすい季節は?
「冬の大地震が多い!」と感じる方も多いかもしれません。とはいえ、大きな地震は、季節に関わらず一年中起こる可能性があります。まずは、実際のデータを見ながら、地震がいつ起きやすいのか、探ってみましょう!
気象庁のデータから分かること
気象庁が公開している「日本付近で発生した主な被害地震」のデータを使って、過去30年間の地震について調べてみました。興味深いことに、3月に最も多く12件の地震が起きていて、その次が4月の9件。そして6月、7月、9月にはそれぞれ8件ずつありました。意外にも、真冬の2月は地震が最も少なく、たった2件でした。
このデータを見ると、実は大地震は冬だけに集中しているわけではないことがわかります。地震は季節に関係なく、いつでも突然やってくる可能性があります。だからこそ、一年中しっかりと防災対策を続けていくことが大切です。
記憶に残っている冬の大地震について
「冬に地震が多いかも」と感じる理由の一つは、私たちの心に深く刻まれている大きな地震が冬に起きているからかもしれません。例を挙げると、阪神・淡路大震災(1995年1月)、新潟県中越地震(2004年12月)、そして東日本大震災(2011年3月、冬から春へ変わる時期)などがあります。
このように記憶に残りやすい冬の大地震があるからこそ、私たちは冬の防災対策をより真剣に考え、寒さや積雪など季節特有の課題に備えることができますよね。実際のデータでは冬に特に地震が多いわけではありませんでした。しかし、冬ならではの備えは、年間を通じた防災意識を高めることにもつながります。
冬の地震特有の危険と対策
冬の地震には、他の季節とは違う特別な注意点がたくさんあります。冬ならではの地震対策について一緒に考えていきましょう。
寒さから身を守ろう
冬の地震の時は、避難所まで移動する間や避難時の体温低下が心配です。とくに、ご年配の方や子どもたちは体温調節機能が弱く、寒さに対する抵抗力が低いため体調を崩しやすいので、みんなで助け合うことが大切です。また、雪が積もったり、道が凍ったりして、いつもの避難経路が使えなくなることもあります。積雪時の避難経路や防寒具の準備、高齢者や子どもの避難方法などについて事前に話し合い、確認しておきましょう。
火の始末に気をつけよう
地震発生時や電気復旧時に、暖房器具やガス機器から火災が発生する危険があります。火災は避難経路を塞ぎ、建物の延焼や煙害を引き起こし、救助活動の妨げにもなります。日頃から、暖房器具の周りには燃えやすいものを置かないようにしましょう。また、避難時には必ずブレーカーを落とすようにします。地震の揺れを感知して自動的に電気を止める「感震ブレーカー」の設置も効果的な対策の一つです。
助けが来るまでお互いに支え合おう
冬の悪天候では、救助活動にも影響が出る可能性が高くなります。例えば、雪や凍った道のせいで救急車の到着が遅くなったり、見通しが悪くて救助活動がスムーズに進まなかったりすることもあるでしょう。救助隊の皆さんも、寒さで体力を使ってしまったり、雪で思うように動けなかったり、天気が悪くて周りが見えにくかったりと、いろいろな困難に立ち向かっています。そのため、普段よりも救助に時間がかかってしまうかもしれません。自助・共助の気持ちが大切です。
冬の地震への備え
季節に関わらず、地震による被害を最小限にするための準備が大切です。そこで、地震の基本的な対策と冬だからこそ意識したいポイントを紹介します。
家の中を安全・快適に保つ
突っ張り棒や固定具による家具の転倒防止や耐震ラッチで中身の飛び出し防止対策をしてください。窓や収納家具のガラスには飛散防止フィルムを貼っておきます。また、スムーズに避難するためにも、室内の避難経路の整理整頓も大切です。在宅避難に備えて、厚手のカーテンや断熱シートも用意しておくとよいでしょう。
寒い冬を乗り切るアイテムを用意する
冬の避難生活では、寒さ対策が重要なポイントです。防寒着や毛布の用意だけでなく、寝袋もあるとよいでしょう。手袋、帽子、マフラーなどの防寒アイテムや、使い捨てカイロも必要です。避難時でも、あたたかい食べ物や飲み物があると体を内側からあたためられます。電気やガスがストップしても、食べ物や飲み物をあたためられるように、カセットコンロや発熱材なども準備しておいてくださいね。
火災の発生に気をつける
寒い冬は暖房器具をよく使うため、二次被害を引き起こさないように気をつけなければいけません。通電火災を防ぐために、家具などが大きく寄れたり倒れたりするような地震が発生したときなどにはブレーカーを切って火災の危険性が無いか安全確認をするようにします。緊急時でも落ち着いて対応できるように、ブレーカーの場所や操作方法を家族全員で確認しておきましょう。より安全な対策として、地震の揺れを感知して自動的に電気を止める「感震ブレーカー」の設置がおすすめです。設置費用の補助制度がある自治体もありますので、お住まいの地域の防災課などに確認してみてください。
冬の地震対策を忘れずに!
冬の地震は寒さや積雪による二次被害のリスクが高まります。家族で避難経路の確認や防寒対策、火の始末について話し合い、必要な準備をしておきましょう。次の記事では、冬の防災に欠かせない便利なアイテムを詳しくご紹介します。ぜひチェックしてみてくださいね!