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【防災士ママブログ】ピオまめ|防災グッズやリュック中身は?災害防災対策等、大切な家族を守るために必要な知識を発信中!

命を守れ!避難所や車中泊で心配なエコノミークラス症候群対策

大きな災害後に避難した先では、体調不良を引き起こしやすくなります。不衛生な環境や大勢の人との共同生活により、感染症やメンタルヘルスの心配が高くなる点も心配です。無事に避難した後にも、十分なケアを行い、健康を維持するようにしなければいけません。
本記事では、災害時に起こる健康被害のなかでも、命に関わる危険性のある「エコノミークラス症候群」にフォーカスし、あらかじめできる対策をご紹介します。

避難時には「災害関連死」にも注意が必要

大きな災害が発生したときには、避難時のケガや感染症による体調不良を引き起こしたり、命を落としたりすることがあります。しかし、無事に避難をした後でも、命に関わる重大な事例がたくさん発生していることはご存じでしょうか。

災害関連死とは

「災害関連死」とは、家屋倒壊や津波など直接的な要因ではなく、災害後の間接的な要因で命を落とすことです。災害発生による精神的なショック・長引く厳しい避難生活が引き起こす体調不良やメンタルメルスが引き金になっています。震災の場合は「震災関連死」と呼ばれることもありますが、阪神淡路大震災や東日本大震災などの地震だけでなく、西日本豪雨のような地震以外の災害でも起こり得ます。

災害関連死の事例

災害関連死では、気管支炎・肺炎・心不全・脳卒中などさまざまな要因が挙げられます。疲労が原因の交通事故や持病の悪化だけでなく、エコノミークラス症候群なども命を脅かす危険性が高い要因の一つです。

エコノミークラス症候群とは

災害関連死の要因の一つである、エコノミークラス症候群とはどのようなものでしょうか。これは、血栓が血流に乗り肺に運ばれて肺の血管が詰まり起こる現象で、次のような症状がみられます。
 ● ふくらはぎや太ももの腫れ・痛み・赤み
 ● 胸の痛み
 ● 呼吸困難
限られた場所での生活を強いられる避難所や車中泊も、エコノミークラス症候群を引き起こしています。命を落とす危険性もある重大な疾患なので、あらかじめ引き起こさないように対策することが大切です。

被災時に強いられる車中泊での注意ポイント

災害時には避難所や自宅・知人宅への避難のほか、車中泊やテント泊をしなければならないことがあります。限られたスペースのなかで過ごす車中泊では、災害関連死にも含まれる「エコノミークラス症候群」を引き起こすリスクも高まります。ここでは、車中泊のメリット・デメリットや注意点を解説しますので、しっかりと把握して、事前にしっかり準備しておきましょう。

車中泊のメリット

車中泊では、家族のみで生活ができるためプライバシーを守れる安心感があります。また、ペットといっしょに生活できる点もメリットと言えるでしょう。不特定多数の大勢と共同生活ではないので、感染症の拡大防止につながります。

車中泊のデメリット

車中泊は、ほかの人との交流が少ないことから情報や支援物資を得にくいデメリットがあります。暑さ・寒さ対策も難しく、ガソリン代もかかります。また、一酸化中毒やエコノミークラス症候群の危険性もあり、注意が必要です。

車中泊で気をつけるとよいポイント

車中泊をしている間は、ラジオを聞く、周辺の避難者とコミュニケーションを取るなど、情報収集をしっかり行いましょう。暑さ・寒さ対策として、銀マットを使った断熱をしてみてください。プライバシー確保・防犯対策として、窓から中が見えないようにすることも重要です。また、エコノミークラス症候群にならないように、こまめにからだを動かし、血行不良を起こさないように心がけてください。

避難中でもできるエコノミークラス症候群対策

避難所や車中泊による避難時には、十分な運動ができずにエコノミークラス症候群」を引き起こす可能性が高まります。しかし、気をつけて生活すれば防ぐことができます。

こまめな運動

じっとしていると血液の循環が悪くなり、症状を起こしやすくなります。4〜5時間ごとを目安に外に出て散歩や軽い運動・ストレッチを行うようにしてみてください。

座ったままでできる運動

体調不良やケガで、外に出て動けない場合は座ったままでもできる運動をしましょう。1時間ごとに3〜5分程度つま先とかかとの上下運動や深呼吸をするだけでも効果があります。

水分補給

血流をよくするためには、こまめな水分補給も大切です。利尿作用があるアルコールやコーヒーなどは避けて、しっかり水分を取ってください。トイレを我慢しないことも重要です。

血流をよくする装い

足首に強い圧力をかけ、上に向かい圧力を減少させる効果がある弾性ソックス(着圧ソックス) を着用する方法も有効です。足から心臓へ血液が戻るのを助ける効果があります。
ただし、長時間使用すると足に備わってるポンプ機能が衰えてしまう可能性があるばかりでなく、締め付けによる、かぶれや湿疹などの肌トラブルを引き起こすリスクもありますので、履きっぱなしは避けましょう。
また、ベルトを外す・下着を緩めるなどゆったりとした服装で過ごすようにしてみてください。

避難生活でエコノミークラス症候群にならないような工夫をしっかりしよう

災害関連死は、避難生活をするなかでしっかり対策をしなければいけない重要な問題です。衛生的な環境をととのえ、感染症やケガの悪化を防ぎ、メンタルストレスにも注意して対策をしなければいけません。また、エコノミークラス症候群は、避難所での限られたスペースや車中泊で起こりやすい症状です。こまめな運動や水分補給を心がけて、引き起こさないように対策してください。次の記事では、避難時の心とからだのケアに役立つピオマの防災アイテムをご紹介します。