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【防災士ママブログ】ピオまめ|防災グッズやリュック中身は?災害防災対策等、大切な家族を守るために必要な知識を発信中!

線状降水帯とは?正しく理解して備えよう!

梅雨の季節になると、災害が心配になるような大雨の情報が聞かれるようになります。近年、土石流の発生や河川の決壊による洪水など、命にかかわるような被害もあり心配は募るばかりです。
そのような中、、ニュースや天気予報では「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」という言葉を耳にします。なんだか難しい用語ですが、いったいどのようなものなのでしょうか?

本記事では、線状降水帯の意味やどんな被害が起こるのか詳しくお伝えします。近年起こった大雨災害や大雨のときに気をつけるポイントも紹介しますので、家族みんなで大雨に備えてくださいね。

「線状降水帯」ってなに?

「線状降水帯」ってなに?

近年、夏が近づくと、大雨のニュースをよく見かけます。テレビやラジオ、SNSなどで「線状降水帯」という言葉を耳にしたことはありませんか?土砂災害や河川の氾濫などにもつながる大雨をもたらす「線状降水帯」について、詳しくご紹介します。

線状降水帯とは?

幅が約20〜50km 長さ50〜300kmの広範囲に及ぶ雨雲群のことで、2000年ごろから使われるようになりました。とくに、2014年に発生した「平成26年8月豪雨(通称:広島豪雨)」から広く知られるようになったと言われています。

線状降水帯はどうしてできるの?

線状降水帯は、通常は単体の積乱雲が次々に連続して発生することでできる雨雲群です。数時間にわたり雨雲が一定の場所に停滞し、激しい雨を降らせます。単体の積乱雲の場合、強い雨でも短時間で終わりますが、連なることで降水量が数倍から数十倍にもなる集中豪雨になります。
線状降水帯を正確に予測することは難しいと言われています。気象庁では、予測精度向上を進めており、できるだけ早く危険を認識してもらえるように研究を進めています。
雨による被害は、地震と異なりある程度事前に予測して避難したり、警戒したりできます。局地的な大雨は時間や範囲の予測がなかなかできないと言われていますが、天気予報や雨雲レーダーなどである程度の範囲や雨量を確認しながら早め早めの対策を取るようにしましょう。

近年起こった大雨被害を知ろう

線状降水帯が発生すると、強い雨が長時間降り続けることがわかりました。地震に比べて、雨に対する対策を考えていない方も多いかもしれません。近年、線状降水帯による大雨が大規模な災害を引き起こし、家屋の損壊や命にかかわる状況を生み出しています。大雨はけして遠い存在ではなく、身近にせまる危険なのです。
ここでは、近年発生した大雨被害を振り返ります。明日は我が身と考え、過去の教訓を生かして準備をするきっかけにしてみてください。

平成23年7月新潟・福島豪雨

このときは、新潟県と福島県会津を中心に大雨となりました。前線の停滞により、多いところでは72時間で700mmを超える降水量を記録しています。堤防決壊・河川氾濫のほか、土砂災害も発生。停電や断水など、ライフラインが停止する事態にもなりました。

平成24年7月九州北部豪雨

出典(又は写真提供):(一財)消防防災科学センター「災害写真データベース」

九州地方を中心に梅雨前線が停滞。7月11日から14日という長い間、猛烈な雨が続きました。500mmを超える雨を観測した地域もあり、24時間の総降水量が7月の平均値の150%となる観測所もあったそうです。住宅の損壊は800件近くに及び、12,000棟以上の浸水被害も発生しました。

平成26年8月豪雨

「広島豪雨」として、記憶に残っている方もいるかもしれません。広島県内では、75名もの命が奪われた大雨による大災害です。局地的に雷を伴う非常に激しい雨が降り、近畿地方・北陸地方・東海地方を中心に大雨となりました。広島県内では、住家全壊179棟、床上浸水も1,000棟以上という被害が確認されています。このころから、線状降水帯が一般的にもよく知られるようになりました。

平成30年7月豪雨

前線や台風の影響で西日本を中心に全国で記録的な大雨となり、甚大な被害を引き起こしました。死者・行方不明者は200名を超え、住家全壊は6,700棟以上となっています。写真は土砂に押し流された家屋です。
四国地方では、6月28日から7月8日までの総降水量が1,800mmと7月の月降水量平年値の2〜4倍の雨が降りました。断水・電話の不通などのライフラインにも大きな被害が発生。家屋の損壊などがなかったとしても、日々の暮らしに大きな影響を残しています。

令和2年7月豪雨

出典(又は写真提供):(一財)消防防災科学センター「災害写真データベース」

西日本・東日本・東北地方、さらには九州にかけて、断続的に約1ヵ月にわたり大雨が続きました。1時間降水量50mm以上の発生回数が1982年以降で最多となるほど、大雨がたくさん発生しています。大河川の氾濫が相次ぎ、土砂災害・浸水などの被害が広い範囲で起きています。また、埼玉県では竜巻が発生し、各地でも突風が起こるなどの被害も確認されています。一部地域では道路が崩落するなどの被害もあったそうです。

大雨のときに注意すべきことは?

大雨のときには、いつもとは違う危険がたくさん潜んでいます。どんなことに注意すればよいか、ポイントを押さえてご紹介しますので、家族みんなで気をつけるようにしてくださいね。

川や用水路・下水道など水のある場所に近づかない!

大雨で増水した川や用水路の様子が気になっても、見に行かないようにしましょう。川の水は、想像以上のスピードで増えていきます。まだ大丈夫と思っていても、あっという間に飲み込まれる可能性があり非常に危険です。下水道や排水路などがあふれ出す「内水氾濫」は、河川に近いエリア以外でも起こります。道路や建物の浸水被害や、流されてしまうなどの危険性も高いため「水のある場所」への注意をしっかりしてください。

地下は避ける

地下街・地下道・地下駐車場は、浸水の恐れがあります。上階から流れ込む水は勢いが強く、流れに巻き込まれてしまいます。できるだけ早く地上に出て避難してください。とくに地下にいると、天候の変化がわかりにくく、急な大雨での浸水などに気づくのが遅れることがありますので情報をしっかりチェックして早めに避難するようにしましょう。

急斜面には近づかない

がけ崩れの危険性がある急斜面などからは、離れるようにしてください。避難をするときでも、土砂災害の危険が考えられる道は避け、遠回りでも安全なルートを使いましょう。日ごろからハザードマップで、近隣の避難経路や危険個所を確認しておくことが大切です。

冠水した道路は転落に注意する

冠水した道路を歩かなければいけないときは、側溝やマンホールに注意が必要です。側溝は一気に水が流れこみ、子どもだけでなく大人でも勢いに飲まれてからだを持っていかれてしまうケースがあります。また、マンホールのふたが外れていることもあり、転落する可能性があり危険です。濁った水で足元が見えにくいため、くれぐれも気をつけるようにしてください。

線状降水帯による大雨にもしっかり対策を!

線状降水帯による大雨にもしっかり対策を!

大雨が降ると、洪水や土砂災害などの危険もあるため、早めの避難が必要な場合があります。天気予報を見ながら、早め早めの行動を心がけてください。
また、状況によっては雨のなかを避難するより自宅で待機した方が安全なケースもあります。停電などのライフライン停止に備えて、しっかり用意しておくようにしましょう。次の記事では、大雨での避難に必要なpiomaのアイテムをご紹介します。