カセットボンベが防災用備蓄に必要な理由は?メリット・デメリットも紹介
防災用の備蓄品はいろいろなアイテムが必要です。食料品や飲料水、日用品などのストックのほかに、カセットボンベとカセットコンロは備えてあるでしょうか?災害時に電気やガスがストップした場合、最低限の生活を送るためには、エネルギー源となる備えが必要。
そんな時に役立つのがカセットボンベです。ではそのカセットボンベがどうして災害用備蓄に向いているのか、メリット・デメリットも踏まえながら紹介していきます。
目次
- 防災用の備蓄品にカセットボンベも用意しよう!
- カセットボンベが防災用備蓄として便利な理由
・【1】幅広い使い道がある
・【2】リーズナブルに備えられる
・【3】コンパクトで収納しやすい
・【4】長期間保管できる - 【防災のためのカセットボンベ】メリットとデメリットを紹介
・カセットボンベを防災備蓄にする時のメリット
・カセットボンベを防災備蓄にする時のデメリット - 必要な備蓄の量は?ローリングストック法がおすすめ!
・ローリングストック法とは? - カセットボンベを備蓄する際の注意点
・カセットガスはメーカー品を
・使用期限に注意する
・備蓄に必要な分を用意する
・ガスの復旧時期が遅いことを認識しておく
・防災用カセットコンロはケース付きがおすすめ - 防災用にカセットボンベを用意してもしもに備えよう
防災用の備蓄品にカセットボンベも用意しよう!
地震や水害などの災害が起こった時のために、備蓄をしておくことは大切です。備蓄品として食料品や飲料水はたくさん用意していても、カセットボンベは備えていないという人がいるかもかもしれませんね。
災害が発生し、電気やガスのライフラインがストップしてしまうと、明かりや温かい食事、寒い季節の暖房などに困ります。明かりはLEDライトと乾電池や大容量バッテリーがあれば事足ります。スマホのライトを使う人も多いですね。
調理や暖房のためには、カセットボンベがあると安心です。キャンプやアウトドアなどに活躍する大容量ポータブル電源があれば調理や暖房に使えますが、防災用にわざわざ用意しようとすると費用がかかってしまいます。
また、石油もライフラインがストップした時のエネルギー源となりますが、普段石油ストーブなどを使わないお家の場合、防災用に石油を備蓄しておくのは大変です。
さらに石油は長期間保管していると変質してしまうため、いつ来るかわからない災害に備えて、定期的に交換しながらストックしておくのは現実的ではありません。
一方で、カセットボンベなら安価で保存可能期間も比較的長く、ポータブル電源や石油よりも気軽に備えることができます。そのため、災害時のエネルギー源としてカセットボンベの備えが適しているのです。
カセットボンベが防災用備蓄として便利な理由
カセットボンベが防災用の備蓄品に向いているのにはさまざまな理由があります。カセットボンベのどんな特徴が備蓄に適しているのか紹介していきましょう。
【1】幅広い使い道がある
カセットボンベはいろいろな使い道があるので、災害用の備蓄にぴったりです。まず、カセットコンロにセットすることで、さまざまな加熱調理ができるようになります。鍋でお湯を沸かせば、レトルトの保存食を温めたり、インスタント麺を作ったりと災害時に温かい食事を用意することができます。
また被災時に断水が起こった場合にも、井戸水が汲める地域ではその水をカセットコンロで沸かして殺菌し、飲料水にすることが可能です。そのほか、調理器具や赤ちゃんの哺乳瓶などを煮沸消毒するのにも役立ちます。そして、カセットボンベに対応したストーブなどの暖房器具があれば、寒い避難生活での冷えを緩和することができるでしょう。
【2】リーズナブルに備えられる
カセットボンベはリーズナブルなのも備蓄に向いているポイント。100円ショップでも1本から購入できます。大容量のポータブル電源や蓄電池などは高額なものが多く、もしものための備えとして購入するのは気が引けてしまいます。
また、石油は定期的に交換しなければならないので、普段から石油を使わない家庭で備蓄すると勿体ないですよね。その点、カセットボンベなら手頃な価格で揃えることができるので防災用備蓄に向いています。
【3】コンパクトで収納しやすい
カセットボンベは1本あたりの大きさがとてもコンパクト。立ててスリムにしまえるのでちょっとした隙間にも収納しやすく、保管場所に困りにくいところも備蓄品に向いているポイントです。
石油などの場合は、大きなポリタンクのスペースが必要となり、収納場所にも困りやすいですよね。カセットボンベなら収納場所を分散させることもできるので、お家の収納スペースにあわせた備蓄ができます。
【4】長期間保管できる
カセットボンベの使用期限は製品によって多少異なりますが、およそ7年の場合が多いです。石油よりも長期間保管できるためこまめな使用期限の確認もいらず、備蓄しておきやすいのが便利なところ。
また、カセットボンベはアウトドアや自宅で鍋を囲むなど、日常的に使いやすいためローリングストックとして備えることができます。多めに備蓄しておいて使った分だけ補充するローリングストックなら、使用期限を気にすることなく、災害時に必要な量を用意しておきやすい利点があります。
【防災のためのカセットボンベ】メリットとデメリットを紹介
防災用備蓄としてカセットボンベを備えることには、メリットもデメリットもあります。それぞれの特徴をよく理解してから備蓄するかどうか考えましょう。
カセットボンベを防災備蓄にする時のメリット
カセットボンベは電気やガスがストップしても気軽に使えるのが大きなメリット。あわせて使用するカセットコンロやストーブなどもコンセントを必要としません。また、軽量でコンパクトなので持ち運びや収納が楽にできます。
石油やポータブル電源はサイズが大きくて重量もあるため、カセットボンベの方が扱いやすいですね。器具に取り付ける場合も石油のように手を汚す心配がなく、被災時にも安心です。
また、カセットボンベは簡単に使えるのもポイント。カセットコンロの場合はセットしてつまみをまわすだけなのでスムーズです。調理の際はカセットコンロの上にいつも使っている鍋ややかんを乗せて活用できるので、専用の道具を揃える必要もありません。
そして多くのカセットボンベは使用期限が約7年となっており、長期間保存できるのもメリットです。
カセットボンベを防災備蓄にする時のデメリット
カセットボンベを防災用備蓄にする場合は、家族の人数×必要な日数分の用意が必要です。農林水産省では、大人1人が1週間に必要なカセットボンベの本数は約6本としています。
アウトドアや卓上鍋などで普段から使う機会が多いならローリングストックもしやすいですが、オール電化の家庭や日頃カセットボンベをあまり使わない家庭であれば、使用期限をこまめにチェックしなければいけません。
そのほか、使用後の処分方法にも注意が必要です。カセットボンベの空き缶は普通のゴミとして回収することはできません。空のカセットボンベに穴をあける、ガスを抜くなど各自治体によって処分方法の取り決めがあるので、事前に確認しておく必要があります。
必要な備蓄の量は?ローリングストック法がおすすめ!
防災用に日常的に備蓄しているカセットボンベやカセットコンロですが、それぞれ使用期限が設けられています。両者ともにガス漏れを防止するためにゴム製の部品が使用されているため、使用していなくても経年劣化するので注意しておく必要があります。使用期限に気づかずに長年備蓄し、いざ使おうとしたら期限が切れていては大変です。すでに備蓄している場合は、一度使用期限を確認し、期限が迫ってきていれば「ローリングストック法」がおすすめです。
ローリングストック法とは?
「ローリングストック法」とは、平時に食べている食料を少し多めに用意し、食べた分だけ備蓄に補充する備蓄手法のことです。定期的に備蓄を消費していくため、期限が過ぎてしまうリスクも低くなりますし、カセットボンベであっても使用期限が切れ、古くて使うことができない、といった事態を回避することができます。災害時に困ることのないよう、日常的に備蓄品を使いながら防災対策をしましょう。
カセットボンベを備蓄する際の注意点
最後に、カセットボンベやコンロを備蓄する際の注意点をご紹介します。注意すべき点は、主に以下の4点です。上述した備蓄品の使用期限をはじめ、あらかじめ認識しておけば災害時にも落ち着いて行動することができるかもしれません。それぞれ見ていきましょう。
- カセットガスは信頼のおけるメーカーで選ぶ
- 使用期限に注意する
- 備蓄に必要な分を用意する
- ガスの復旧時期が遅いことを認識しておく
- 防災用カセットコンロはケース付きがおすすめ
カセットガスはメーカー品を
カセットガスには「指定された専用の器具と容器(ガス)」を組み合わせて使用することが法令上で定められています。指定されたカセットガス以外の商品を組み合わせて使用すると、ガス漏れが起きたり、使用途中で火力が落ちてしまったりといった事態も起こりえます。火を使用する商品ですから、カセットボンベは信頼のおけるメーカーのものを適切な組み合わせで正しく使用するように心がけましょう。
使用期限に注意する
先にも述べましたように、ほかの備蓄品と同様にカセットボンベにも使用期限があります。大まかな認識として、下記のような使用期限が設定されています。
● カセットボンベ:製造から約7年
● カセットコンロ:製造から約10年
製品内の部品の中には経年劣化によって、ヒビが入ってしまったり、ガス漏れの原因になってしまったり、といった恐れのあるものがあります。安全に使用するためにも、使用回数や頻度に関係なく、買い替えの時期は目安として、それぞれ約7年・10年と呼びかけられているのです。
備蓄に必要な分を用意する
内閣府の呼びかけでは、南海トラフに向けて1週間以上の備蓄を家庭内でするように言われています。カセットボンベだけでなく食料や飲料水など、家族の人数や生活に合わせて必要な量をあらかじめ計算しておき、備蓄しておくようにしましょう。
ガスの復旧時期が遅いことを認識しておく
2011年に発生した東日本大震災では、ガスが約9割ほど復旧するまでにおよそ1ヶ月もの時間を必要としました。内閣府の想定においても、首都直下型地震が起きた場合にライフラインが復旧するまでには、以下の期間がかかると計算されています。
● 電気:6日
● 上水道:30日
● ガス:55日
このように、ライフラインの中でもガスの復旧は最も遅いと言われているため、あらかじめそのことを念頭に置いて防災対策や備蓄を準備することが大切です。
防災用カセットコンロはケース付きがおすすめ
防災用にカセットボンベと合わせてカセットコンロを用意する場合には、ケース付きのコンロにすることもおすすめです。災害発生時や避難時には、地震の揺れで壁や地面にぶつかったり、落下してしまったりすることも考えられます。ケース付きのカセットコンロであれば、コンロ本体をケースが固定しているので、衝撃から守り安全に管理・収納することができます。また、ケースには取手がついており、避難時の持ち運びにも便利です。
防災用にカセットボンベを用意してもしもに備えよう
今回は、防災用備蓄としてのカセットボンベについて紹介しました。カセットボンベは熱源としてライフラインがストップした時に役立ちます。ポータブル電源や石油などよりも扱いやすくてリーズナブルに準備できるので、必要な本数をしっかり備えておきたいですね。
しかし、一体何本のカセットボンベをどのように保管すればいいかわからない人もいることでしょう。そこで次の記事では、防災用備蓄としてのカセットボンベの必要本数や正しい保管方法について紹介します。これからカセットボンベを備蓄品に取り入れたいという人は、ぜひ参考にしてください。