【赤ちゃんや妊娠中のママのための防災対策】災害時の心配点と備えとは?
妊娠中や小さい赤ちゃんがいる場合は、スムーズな避難が難しかったり、避難生活で体調を崩してしまったりといった不安があります。そのため、防災対策をしっかりしておくことが大切です。
今回は、赤ちゃんや妊婦がいる家庭での防災対策について紹介します。乳幼児がいたり、ママが妊娠中だったりする場合は、災害が発生するとどんなことが困るのか知っておき、もしもの時にママと子どもを助けられるようにしておきましょう。
災害が発生!妊娠中のママや赤ちゃんはどうなる?
地震や台風などの災害はいつ発生するかわかりません。もしも、妊娠中だったり小さい赤ちゃんがいたりする時に災害が起こったら、子どもや自分の命を守りながらスムーズな避難ができるでしょうか?
妊娠中や産後の女性は身体や精神面での変化が大きく、普段の生活でも疲れやすかったり気分が落ち込んでしまったりすることがあります。お腹が大きいと足元が見えず、転びやすくなってしまう心配も。
そんな時に被災すると避難行動がスムーズに取れず、また避難先でも体調や精神面でつらくなってしまう可能性があります。
そして乳幼児がいる場合は、避難するのに時間がかかりやすいです。赤ちゃんは体調も変化しやすく、避難先で熱中症や低体温になったりする可能性も考えられます。また、被災のストレスで子どもが赤ちゃん返りしたり夜泣きが酷くなったりと精神面での心配もあります。ママも不安な気持ちだと子どもに伝わってしまうかもしれません。
このように妊娠中のママや小さい子どもがいる家庭は、災害が発生した時に心配すべき点が多くあります。もしもの時の不安を少しでも軽減するためには、やはり日ごろから防災意識を高めることが大切です。家族みんなで話し合って、しっかりと対策していきましょう。
妊婦や赤ちゃんが被災した時に注意しておきたいこととは?
妊娠中のママや乳幼児がいる家庭の防災では、避難した時にどんなことが起こるか考えて対策するのが大切。事前に心構えしておくだけで、もしもの時も落ち着いて行動できるはずです。特にどんな点に注意しておくべきか紹介しましょう。
【妊娠中の人】被災した時に注意しておきたいポイント
妊産婦も災害に遭遇する可能性は十分にあります。そのため、日ごろから被災するかもしれないことを自覚しておくことが大切です。また、一般的に必要とされる防災の備えをしていたとしても、妊娠・出産・産褥の時期にはさらに別の準備が必要になります。妊娠したら、備えの内容を見直すようにしましょう。
また、妊娠中期・後期ならお腹が大きくなって足元が見えにくくなり、身体も思うように動かなくなるため、実際に災害が発生して避難する場合に転んでしまう恐れもあります。必ず誰かにサポートしてもらい、一緒に行動するようにしましょう。
そして妊娠初期の場合はお腹が目立たないため、周囲から気づかれない可能性もあります。実際に東日本大震災で避難した妊婦が妊娠中であることを伝えられず、冷えの強い場所で我慢していたことがあったそうです。
妊娠中の冷えは早産や流産につながる恐れもあります。そのため、「マタニティマーク」のキーホルダーをつけたり、自ら発言したりして周囲の人に知ってもらうことも大切です。
また、避難生活時は体調面の変化にも気をつけましょう。被災によるストレスで血圧が上昇すると、妊娠高血圧症候群になりやすくなります。
また、つわりで食事が全然とれない、お腹が規則的に張ったり、痛くなったりするなど、気になる症状があればすぐに受診するようにしてください。病院で受診できない場合は、避難所にいる責任者や医療関係者に相談しましょう。
【赤ちゃん】被災した時に注意しておきたいポイント
赤ちゃんは災害時に自分で身を守ることができません。お家の中にいる時に地震が起こった場合も、家具・家電の転倒や落下物によってケガをする恐れがあります。赤ちゃんがお家の中で普段過ごすスペースの安全確保をしておくことが大切です。
被災時は乳幼児向けの支援物資がすぐに届かない場合もあります。そのため、お家で赤ちゃんのための備蓄をしておきましょう。
また、災害が発生して乳幼児を連れて避難する時は、大人だけで避難するよりも大幅に時間がかかってしまう恐れがあります。事前にハザードマップで安全な避難ルートを確認し、防災用の持ち出しバッグも玄関近くに置いておいてスムーズに動けるようにしておきましょう。
避難の際は道が混んでいたり、樹木などが倒れていたり、瓦礫が落ちていたりしてベビーカーが使えない場合も考えられます。そのため、抱っこ紐を使って避難するのがおすすめです。特におんぶなら足元も見えるので移動しやすいです。防災用の持ち出しバッグにおんぶ紐やスリングなどを入れておくといいでしょう。また、被災時は子どもも体調が優れなくなったり我慢させたりするので、普段からの心掛けが大切です。
心構えが大切!赤ちゃんや妊娠中のママがいる家庭の防災対策
災害が起こった時は、まずはママが落ち着くことが大切。そのためには日ごろからしっかりと備えをし、心構えをしておくことが重要です。家族で防災について話し合い、ルールを決めたり被災時にとるべき行動を話し合ったりしておきましょう。どんな対策が必要か紹介します。
【1】災害が発生した時にとるべき行動を知っておく
災害が起きた場合に慌てず行動できるように、まずはどうしたらいいか知っておくことが大切です。地震が発生した場合は、まず子どもと自分の身の安全を第一に考えて行動しましょう。
自宅にいるなら子どもの頭を守るようにして抱き、テーブルなどの下に身を隠します。近くにあるクッションなどで頭を覆うのもいいでしょう。
揺れが収まったらガスコンロなどの火を消し、使用中の家電製品もスイッチを切ります。特にアイロンやドライヤーなどはコンセントを抜いておきましょう。家の中を移動する際は、ガラス片などで怪我をする恐れがあるので、子どもも大人も靴やスリッパを履いておきます。
また、テレビやスマホで情報を集めつつ、屋外の様子も確認しながら、必要に応じて避難の準備をはじめましょう。地震が起きた時に外出中であるなら、子どもと離れないようにしっかり抱っこし、安全な場所へ移動することが大切です。
スムーズに避難できるように持ち出しバッグを日ごろから準備しておきましょう。母子健康手帳や健康保険証、かかりつけ医の診察券などを持ち出せるようにすることも大切です。また、妊娠中の場合は厚生労働省指定の「マタニティマーク」のキーホルダーも持ち出せるものに着けておくのがおすすめです。
【2】家族との連絡手段の確認をしておく
災害発生時に家族が別々の場所にいる場合に備え、どうやって連絡を取り合うのか決めておきましょう。災害時は電話やインターネットが繋がりにくくなり、スムーズに連絡できないことが考えられます。
そのため、安否確認の手段を決めておくことが大切です。災害用伝言ダイヤル(171)や大手通信キャリア3社が用意する災害用伝言板アプリなど、使い方も含めて家族で確認しておくのがおすすめです。
妊産婦は日常であっても行動や生活に制限が生じます。そのため、被災した時にもすぐに家族と連絡が取れるようにしておくことはとても大切です。
【3】自宅の中の危険な場所をチェックして対策を
赤ちゃんがいる家庭では、自宅の安全対策もしっかり行っておきたいもの。特に普段赤ちゃんが過ごす場所の周囲には、地震で揺れた時に倒れるようなものを置かないようにします。家具などを置いたとしても、しっかりと固定して転倒防止対策をしておくことが大切です。
また、大きな揺れの際には収納しているものが飛び出したり、ガラスが割れたり、上に置いていたものが降ってきたりすることも考えられます。そういった危険がないように、日ごろから赤ちゃんのいる環境をチェックして対策しておきましょう。
【4】在宅避難を想定して日ごろから備蓄しておく
妊娠中や産後に被災した場合、自宅が安全であればおそらく在宅避難を選択する人が多くなるでしょう。しかしその場合は、支援物資が受け取れないリスクもあります。
在宅避難をする可能性があるなら、日ごろからしっかり備蓄しておくことが大切です。妊産婦が必要なアイテムをリストアップして準備しておきましょう。
妊娠中のママや赤ちゃんのための防災対策を見直そう!
今回は、妊娠中のママや乳幼児がいる家庭の防災対策について紹介しました。もしも妊娠中や子どもが小さい時に災害が発生すると、スムーズに避難することが難しくなります。また、避難生活でも体調面や精神面での心配が大きいものです。
そのため、妊婦や赤ちゃんのいる家庭では、日ごろからしっかり防災について考えておくことが大切です。家族で話し合って心構えをしておくだけでも、いざという時にスムーズに行動できるようになります。
最初にとるべき行動や家族同士の連絡手段を確認し、自宅の安全確保をしっかり行っておきましょう。
また、避難生活のことも考えて、しっかりと備蓄をしておくことも重要です。特に赤ちゃんがいる家庭ではおむつやミルクなどのアイテムを備えておかなければなりません。
そこ次の記事では赤ちゃんのいる家庭が備えておきたい防災アイテムについて紹介します。赤ちゃんのための備えをしっかり見直したいという人は、ぜひ参考にしてください。